先に「習得」を目指す。学習には3段階ある
ユダヤでは、学習は3段階に分かれると言われています。英語で例えると、①知っている=授業を聞いて「be動詞ってそうなんだ」と思った状態。②理解している=内容を理解してテストで点が取れる状態。③習得している=それを使ってネイティブと会話ができる状態。
目指すべきは、もちろん習得です。中学・高校・大学で何年も英語を勉強して一切喋れないなら、何の時間だったのか。習得を目指さない勉強は、はっきり言って意味がない。だから勉強するときは「自分はこれを習得するんだ」と決めてください。
その前提が目的思考です。目的が明確になればなるほど、途中過程が明確になる。明日のテストが数学なら今日勉強するのは数学、テストが何か分からなければ何を勉強すればいいか分からない。ユダヤ人は学ぶときも、必ず自分の目標を設定します。
ステップ1:メモを取りながら聞く(暗記ではなく、理解のため)
本でもセミナーでも、必ずメモを取りながら聞きます。理由は一つ、頭を使って理解するためです。「暗記するのではなく本質を理解しなければいけない」と教わりました。エビングハウスの忘却曲線の通り、新しく覚えたことは48時間で70%以上忘れます。人間は暗記が不得意なので、勉強中にやるべきは暗記ではなく「あ、そういうことか。納得した」という理解です。
ただし、相手が言ったことをそのまま書くのはダメです。黒板を丸写ししていた人がいましたが、写真を撮れば終わりです。メモするのは、そのとき自分が必要だと思ったキーワード、感じたこと、気づいたこと。この癖がつくと頭を使いながら聞くようになり、読んだ後・受講した後の理解度が格段に上がります。読むスピードは遅くていい。
ステップ2:終わったら整理してまとめる(復習は暗記ではなく、新たな発見のため)
メモを取って理解したら、そのメモをもとに自分で内容をまとめる時間を取ります。有料セミナーに行くとみんな必死にメモを取りますが、日常やビジネスに反映できない人は、この2つ目のステップに時間を取っていないだけです。
理由は2つ。1つは、人間は理解しても忘れる生き物だから。もう1つが最も重要で、理解を深めるためです。ユダヤの格言に「復習とは暗記するためではなく、新たな発見をするためにある」があります。僕はユダヤ人が開催する実践ツアーに参加者として合計8回参加しました。内容の大枠は同じで、体力も削られるので3回目くらいから行きたくなかった。それでも先生に「君の人生に絶対必要だから」と言われて回数を重ねると、1回目で気づけなかったことに2回目で気づき、3回目でも気づかなかったことに4回目・5回目で気づく。同じものでも数を重ねるほど学びが深くなります。だからユダヤ人は、同じ学びを繰り返し繰り返しすることにこだわります。
学習の原理原則を、動画で。
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ステップ3:48時間以内に誰かに教える
まとめた内容を、必ず48時間以内に誰かに教えます。人に教えることが、最も記憶に定着するからです。ラーニングピラミッドでは、話を聞くだけの定着は5%、見るだけで10%、見て聞いて20%、実演を見て30%、グループで討論して50%、自分で体験して70%。それより上が「人に教える」です。
- 自分の理解度が正確に測れる:理解していないことは人に伝えられません。教えてみると、どこが理解できていないかが分かり、そこを理解しようと脳が働きます。
- 教えるたびに新たな発見がある:僕はユダヤの教えをいろんな人に教える事業をしていますが、教えれば教えるほど賢くなり、それをまた教えるから無限ループで賢くなります。
- 質問に答えないといけなくなる:答えづらい質問に答えるために脳が働きます。一人で復習しているだけでは生まれない、対話だけのメリットです。教えたときは必ず相手に質問してもらってください。
本質=絶対的な共通点。3つ以上の情報源から学ぶ
この3ステップを分かった上で、最後に絶対に知っておく習慣があります。学習したいジャンルを、合計3つ以上のところから勉強することです。リーダーシップを学びたいなら、ピーター・ドラッカーのリーダーシップ論、デール・カーネギーの理論、識学の『リーダーの仮面』のように、全く違う3人以上から学ぶ。伝え方はそれぞれ違いますが、一流の人たちには必ず共通点があります。3人が言っている本質は「人を成長させるのがリーダーシップだ」。俺についてこい、ではなく、みんなが成長できる流れを作る人。それが一番大事だと分かれば、何かでリーダーを取るときの視点が決まります。
本質とは、物事の絶対的な共通点です。マーケティングで例えます。USJは集客に困ったとき、「あなたが娘さんとこの光景を見られるのは、あと何回ですか」というCMに変えて、子どもがいる父親に刺さり、売上を伸ばしました。カルピスは「体にピース、カルピス」で子ども向けから健康志向の大人向けに変え、売上を2倍にしました。任天堂は花札をタバコとセット販売し、トランプをディズニーとコラボしてディズニーランドに置いて伸ばしました。事例を単体で見ると「恐怖を煽ると売れる」「付加価値を変えると売れる」「セット販売すると売れる」になり、自分の商品にどれを当てはめればいいか分からなくなる。3つに絶対共通しているのは顧客を絞り込んでいること。マーケティングのテクニックの一つとしてターゲット設定があるのではなく、すべてのマーケティングで一番最初に考える本質がターゲットの絞り込みです。本質に気づくと、どのマーケティング手法を読んでも「これはこう絞り込んでいるのか」とすっと入ってくる。学習効率が大きく上がります。
1冊の本を「人に解説できる」まで読む手順
ただし別方面の本を3冊読んだだけでは、共通点は見つかりません。ただ読んだだけだからです。本や動画は、自分で思っている以上に頭に入っていません。1回読んだ程度は「なんか知ってる」程度。習得はできなくても、せめて1冊を理解するところまで持っていく必要があります。手順はこうです。
- 章ごとに「結論・理由・事例・結論」でメモを取りながら読む。本は必ずこの形で書かれています。メモは多くならず、1回目は時間がかかっていい。
- メモを使って自分なりにまとめる。本は大量のことを書いているようで、実は3〜5つのテーマを繰り返しているだけなので、必ず3〜5つの結論に絞られます。
- 10〜30分で人に解説する。「この本の言いたいことは1つ目がこれ、2つ目がこれ、3つ目がこれ」と端的に。ここまでやると、その本をほぼ理解した状態になります。
これを3冊やると3冊の共通点、つまり本質が見えて、その分野はほぼ習得したと言えます。難しいと感じるかもしれません。僕もやったことがなかったから勉強が苦手だったのです。ユダヤの格言に「海を一度に作ろうとしてはいけない。小川から作りなさい」があります。一歩ずつやれば必ずできるようになります。
子どもや部下にも使える:正確に復唱させる
ユダヤの先生は、教えたことを一字一句正確に復唱させます。栄養の話を「栄養を取る、取った栄養を腸で吸収する、吸収した栄養を全身に回す」と、正確に言えるまで「そんなことは教えていない、正確に言ってください」と何度もやり直させる。何の意味があるのかと思いましたが、こうするとアウトプット前提のインプットになります。正確に覚えないと終わらないので、聞き耳を立ててメモを取りながら聞くようになり、インプットの質が変わる。学校でなんとなく聞く習慣と、誰かに教える前提で聞く習慣は全く違います。子どもへの叱り方でも、部下への指示でも同じです。
結局、何を教えてもらうかが悪いのではなく、自分がどう勉強するかで全部決まります。教えてくれる人が悪い、内容が悪い、と人のせいにしていたのが昔の僕でした。知っているか知らないかだけの差なので、この勉強の仕方をまず1回実践してみてください。
- 【ユダヤ式勉強法】 これを知れば学習効率が飛躍的に向上します(YouTube「ゆだしん」)
- 【再現性がやばい】ユダヤ人が実際に行う学習の3ステップを徹底解説(YouTube「ゆだしん」)
数字について:人口0.2%(約1,580万人・2024年)はヘブライ大学 S. デラペルゴラ教授の推計、ノーベル賞受賞者の約2割は Jewish Virtual Library の受賞者一覧の集計です。動画で話している「世界の富の40%」「アカデミー賞の37%」などは集計によって数値に幅があるため、このサイトでは出典を確認できる数字だけを使っています。

